2010年頃からずっと好きなバンドの、一番好きなメンバーとオンラインで会話をした。

いわゆるシングルやアルバムが発売されて実施されるインストアイベントにはちょこちょこと足を運んでいたが、実際にマンツーマンで、個人だと認識されながら話す機会というのは本当に久しぶりで、たぶん2年以上ぶりなのかな、と思う。2014年か2015年頃に「自分を認知されることを目的に通うのはやめよう」と一旦すべてへの執着を捨てたつもりではいたが、やはり「わたし」として認識されている優越感や幸福感はとても甘い蜜なようで、そういうものを放棄したと思い込んでいたあとも年に一、二度程度そういうイベントに足を運んでいた。

 

今回は、コロナの影響でまったく接触がなくなったことへの配慮から発生したイベントだと思う。一人二分間、ほかに映像での生配信2時間プラスアルファがついて、5,000円ぽっきり。シングルを何枚も、アルバムを何枚も買っていたあの頃に比べても、だいぶお得なんだろうな、と思う。生で握手とサインをもらわないとしても。

 

久しぶりに話す好きなバンドマンは、やはり誠実で、素晴らしかった。ときどきたまにモニターではなくカメラをきちんと見つめてくれるのがうれしかった。

特にたいした話をしたわけではないけれど、楽しかった。