好きなアニメ作品が、10周年を迎えた。10周年をお祝いするプロジェクトとして作られた映画が今日から公開されて、見に行ってきた。公開初日に映画を見に行くのは本当に久々だったと思う。

 

劇場版『RE:cycle of the PENGUINDRUM』公式サイト

劇場版ピンドラです、輪るピングドラム

 

映画の内容について触れているので、ワンクッション置きます。

冒頭からぽろぽろと涙を流した。懐かしさもそうだけど、それ以上に音楽と映像の優しさに心がほぐれていくのを感じた。

放映当時、正直アニメの内容がよく理解できていなくて、ただその中でも発される言葉だとか表情だとか空気感だとか、そういうものに胸を抉られるような、普段は気にしていないような何かに触れられるようなことが多かった。いわゆる「考えるな、感じろ!」でちょいちょい泣きながら見ていたように思う。あれから何度か全話を見直したけれど、未だに話の内容については上手く説明できない。

 

今回の映画版は、基本的にはアニメの総集編として描かれているんだと思う。が、新たに加わったパートによって「新しい解釈」の可能性が与えられたように感じる(これちょっとFF7Rにも通じるものがあるよなって本当に少しだけ思った)。「ここはもしかして、そういうことだったのかな」とか新しい発見がいくつも得られた。アニメと同じ時間の流れではなくて、監督が新たに組み直した順番で展開するので、エピソードの順番により話の印象が変わるのもなかなか新鮮だった。

 

ピングドラムは「愛」で合ってるのかな。これについてはいまだにわたしの中で確信に至れていなくて、たぶん読み込みが浅いんだと思う。

劇中で、人生の乗り換えの話とか、呪われた運命から解放されるとか、それにはピングドラムが必要だという話を何度もされていて、なんだろう、運命(だと思われるもの)に囚われていては、ずっと何者にもなれないよ、と言われているんだろうか。今日映画を見て、改めてなんとなく、そんな印象を受けた。

運命を切り拓くのは自分で、「過去にこういうことがあったから自分は幸せになってはいけない」とか「自分の力ではどうしようもできないことに邪魔をされるのも仕方のないこと」とか、そうやって戦わずして目の前にあるものに沿って人生を歩むのはよくないよ、っていうことなのかな。映画を見て、そういうメッセージ的なものもきちんと受け取れるようになるといいな。

 

 

ピンドラは本当に大切な作品で、こうやってまた10年ぶりに触れられることがとても嬉しい。心の中の大切な大切な宝箱にずっとしまっていたい。見たことがない人も、映画を見てくれますように。