結構長いこと生きてきて、もうきっと突然悲しい気持ちになることなんてないだろうし、大人だし、人間関係の何かに疲れてどうにかなっちゃいそうみたいなことにもならないだろうし、と思っていたけれども、全然そんなことはなくて、普通に疲れるし、悲しい気持ちになるし、嫌なことは嫌だし、人と関われば関わるほど嫌な気持ちになることも多いし、なんだよ大人になっても結局変わらないんじゃんと思う日々が続いていて、続いていて。

深夜の感情の吐露は結局誰にもぶつけられないし、そういうところだけ弁えるようになったので、夜中に誰かに突然電話をかけることもないし、かける相手もいないし、恋人はすこやかに寝ているし、そんなの起こせないし、じゃあどうすればいいんだろうなあと思いながら、結局朝が来るのを待つ。朝焼けは美しい。朝焼けは美しいけれど、美しいものを見るとどうしてもやはり、悲しい気持ちが生まれてしまう。この気持ちは何なんだろうね、ずっと消えない。

いつまで経っても、隣に誰がいても、友達と何時間でも過ごそうと、話そうと、結局一人なのだ。一人でいるときの気持ちの処理の仕方を覚えられないと、ずっとこういうままなのだ。でもそういう風に嫌なことだなみたいに書きながらも、こういう気持ちを持ち続けている自分のことは嫌だなとは思わなくて、むしろもうこういう気持ちとか発生しないんじゃないかっていうぐらいだったから、よかったのかな。死にたいって思わないから、まだ悲しいで済んでるから、よかったのかな。よかったんだよ。