友達に会いに行った。会いに行った、というより、ライブ→空いてる日→ライブ、と中日を利用した日だったので、「ついでだったの!?」と言われるともごもごしてしまうのだけど。でも、今回会う機会がなければライブで遠征までしなかったので、やはり会いに行くというのは第一目的だった、と思う。

一年半弱ぶりに会う彼女は、ふわりとした柔らかさを湛えながら、あたたかさで溢れていた。なんだかんだで付き合いが10年少々になるが、ゆっくりと自分のことを話したことはそこまでなかったように思う。出会った頃はお互い棘棘しかった部分も、月日が経てばいつの間にか摩耗し、なんとなく、丸みが出来たように思う。

マニキュアを買った。彼女はいつも指先を綺麗にしている印象だったから、使うだろう、と思ってマニキュアを買った。アナスイの最近発売されたマニキュアを3本。どの色が合うかしら、この色は持っているかしら、なんて考えながら選んで、ラッピングしてもらって、当日彼女に渡した。驚くぐらい喜ばれて、嬉しかった。
なんでも、その日はちょうどわたしがプレゼントしたマニキュアを買おうと思っていたそうだ。これには少し、運命を感じざるを得なかった。そしてわたしの彼女に対する想い等々について誇らしく思うのであった。


話しているとなんとなく魅了されてしまうのは昔からだし、キスしたくなるのも抱きしめたくなるのも正直彼女ぐらいなのだけど、とりあえず物理的な接触はほどほどにしておいて、好き、とだけたくさん言った。最近のわたしのモットーは「好きだと思った相手に対して隠すことはしない」なので、とにもかくにも好意を伝えた。素直になることは大切なことだと思う。

うふふ、と笑う彼女が本当にかわいかった。「うふふ」という笑い方は彼女のために存在しているのではないだろうか、と思うほどにかわいかった。わたしはあのとき、世界で一番幸せだったんじゃないだろうか。
別に「特別」とかそういうのではなくて、わたしが「好き」だと思った相手に喜んでもらえたり話してもらえたり、そういうのってなんだかとても素敵じゃないだろうか、幸せじゃないだろうか。

うまく表現できないけれど、「わたしは素直に幸せになってもいいんじゃないか」と思う日だった。