pre.

薄い粘膜で全身を包まれているような、そんな感覚がずっと続いている。身動きはなかなか自由に取れなくて、いつものように手を挙げては空を掴むばかりだ。実態のない不安に惑わされながら、今日もあと6時間程度で終わりを迎える。
きみに言われたことはすべて、わたしの中にじんわりと浸透した。それをなんとかして理解してほしいのだけどどうにも難しい。
言葉だけでは上手く伝わらないから、体を重ねるのかい? 陳腐な愛情表現には辟易しているところなんだ、液体を通さない意思疎通を望んでいるのに、どうしてきみは。