こうやっていつまで思い出に浸り続けているんだろう。わたしにとって高校時代は何にも代えられないもので、自分の中で一番きらきらした存在だ。彼らと会うことで自分の今が否定されていく。ここが一番楽しかったんでしょう、この人たちが一番魅力的な人でしょう、と見知らぬ誰かがわたしに耳打ちして、わたしは見事にそれに納得する。だってどうしようもないじゃないか、昔付き合っていた人と、昔好きだった人と、今大好きな人が全員揃っているグループなんだから、そうなるのも仕方ないじゃないか。
でも、結局、そこに縋っているうちはわたしはどこにも進めない。現在があってこその思い出なのに、それがメインになっては本末転倒だ。わたしが生きているのは今で、大学で、バイト先で、この家だ。わたしがいるのは4年前のあの場所ではない。もう消えてしまったあの校舎を思って憂うのは、やめにしよう。場所が変わっても人が変わっても、あの場所は確かにわたしたちが過ごした場所だった。それについて四の五の言っても仕方がないんだ。
どんなに彼らが魅力的でも、わたしがいるのはあそこではない。過去を懐かしんでそれを最高の位置に置くのは、良くない。変化を嫌うにしても、そこに留まり続けるのはよくない。流されて生きるのは嫌だけど、あまりに固執し過ぎるのはもっと醜い。今を受け入れるのはもう出来ているんだ、わたしに必要なことは、過去からの脱却だ。