昨日の話

「ようし、がんばるぞ」と意気込んで家を出たら、なんと靴の底が剥がれた。結局お泊りには約一時間ほど遅れて参加し、酔っ払いながら懐メロを歌い、酒を飲み、手土産のワッフルをつまみながら高校時代の思い出話やらに花を咲かせていた。今回のホストである友人の行きつけのバーであるらしいその店は、カウンターのほかにパーティルームも備えているとても落ち着いた場所だった。マスターともう一人の人が店を切り盛りしていて、ほかに客が一人いた。パーティルームから漏れて聞こえるカラオケの音は、トイレにまで響いていた。「いい選曲だね」と微笑むマスターに、最高です、と答えた。それからみんなで銭湯に行って、ゆっくりと風呂に漬かった。水風呂に漬かり過ぎたせいで、わたしはどうやら風邪をひいたらしい。どうしようもねーのな。
はじめてお邪魔する友人の一人暮らしの部屋は、とても簡素なものだった。冷蔵庫が可愛かったことが印象的で、ごく普通の青年の部屋だった。彼は「今日のために買ってきたんだ」と楽しそうに人生ゲームを広げた。「今日準備しながら俺めちゃくちゃ興奮して、すんげー楽しかった」とケラケラ笑っていた。結局一晩中人生ゲームと大富豪に興じ、朝を迎えていた。