そういえば、この前の土曜日は彼の誕生日だった。特にプレゼントは用意していなくて、どうしようかなぁと考えた結果、トマトクリームシチューを作って、お祝いは彼の大好きなサーティワンのダイキュリーアイスにメッセージをチョコペンで書いたチョコプレートを乗せて、ろうそくに火をつけることにした。
シチューは人参があまりにも硬かったためにもう一度煮るという大変面倒な事態になったが、彼の帰宅に間に合ったからよかった。肝心のアイスは、とても喜んでくれたみたいで、ろうそくの火を吹き消すときにハッピーバースデーを歌ってと要望されて、わたし一人で歌いながら彼が満足そうにしている、となんとも言えない図が生まれた。真っ暗な部屋でろうそくの灯りだけがゆらゆらしていた。彼は本当に嬉しそうに、子どもみたいな顔をしながらふうっと火を消して、幸せそうにアイスを頬張っていた。
ああよかった、喜んでもらえた、とホッとしながら、楽しそうにしている彼を見ていた。