「早く引っ越したいな」
と、白い息を吐きながら彼は静かに言った。


家のシャワーからお湯が出ない、と困っていたので、家に二日ほど泊めた。朝は彼が静かに起こし、わたしの通勤時間に合わせて家を出て、夜にはわたしが駅まで迎えに行き、彼がシャワーを浴びている間に先に寝ていた。隣で誰かが寝ているのは、とても安心する。彼だろうが母だろうが友人だろうが、信頼出来る人の隣で寝られるのは、本当に安心する。


クリスマスにあげたマフラーを、大事そうに使っているのが嬉しくて、たくさんタックルした。小さい声で、「タックル」と言いながら笑っていた。