具体的なものに触れ過ぎて、わたしはもう抽象的な空間に漂うことも出来ないのかしらと最近はよく思う。


インターネットで戦うには、世の中で戦うには、本名を名乗らなくてはいけないんだ。
とある友人が言っていた。
今では戦う気がない人たちでさえも本名を公開して写真を貼り付けてにこにこしながら日常を報告し合っているけれど(そしてそれは数年前よりももっと具体的に、詳細に語られるようになった)、それでもわたしは今でも本名はひた隠している。何をどうして、こんな場所に、現実を持ち込まねばいけないのだろう。
現実からは逃れられないんだろう。知っているけれど。知っているけれど。


わたしはいつまでわたしを続けなくてはいけないんだろう。