京都から帰ってきて早くも三日経った。なんとなく心がまだあちらにあるような気がしてならない。また一週間もすれば、一ヶ月もすれば会えるんじゃないだろうか。そんな気がしている。特に確証があるわけでもないけれど。
考えてみれば一年半ぶりに会った、んだろうか。最後に会った日はそこまで話も出来なくて、というよりむしろあれが最後になると思わなくて、ひどく後悔したのを覚えている。


京都に行ったのは高校生以来だったわけだが、一日目もライブの相方ちゃんがえらい歴女で修学旅行並みなスケジュールで、二日目もわたしのお願い(五年間ぐらい電話でのやり取りばかりの彼に耳かきを買ってこいと言われた)のために清水まで三人様にご一緒してもらい、とても充実した二日間を過ごした。感謝でいっぱい。
プレゼントしたヘアピンも喜んでもらえた、のかな。良かった。お出掛けするときに着けてもらえて、なんだか照れ臭かった。似合ってた。なんだかんだでわたしも彼女のことが大好きなんだと思う、いわゆる普通の「好き」以上に。普通の好きってなんだろね、っていう感じだけども。
夜寝るときに同じベッドで寝て(もしかして彼女と夜を過ごすときに、まともな寝床で寝るのって初めてだったかもしれない?)、それも異様に気恥ずかしかった。布団に潜るとこちらに寄ってきて、わたしは何故だか頭に手をまわして中途半端に抱き締めるような形になっていて、どうすればいいかわからなかった。なにがあったわけでもないが。


どうしてさよならした後に泣いたんだろうねわたし。どうしようもなく涙が溢れて、お土産屋さんの前でキャリーバッグの取っ手をぎゅうと握りながらうわあんと泣いた。傍から見ればまるで恋人と別れたあとのような、そういう女だった。普段あんまり泣かないのにな。悲しかったのかな。また会えるのに。また会えるのに。絶対に会うのにね。いつだってどこだって三人の気持ちは近くに寄り添いながら生きているのにね。
センチメンタルになるのはやめにして、楽しいことでも考えよう。