だれも。

うっとおしい湿り気はこれからしばらく続く。
昨日は夜中にタクシーに飛び乗って新宿に行ったは良いが、何もしなかった。会う予定だった女の子は眠った(ただただ事故に遭っていないことを願うばかりだ)みたいで、久々に深夜の新宿をひとりでうろうろした。連絡が取れないっていうのは、あんなに何とも言えない気になるものなんだね。

「ななやちゃん、もうわたしつかれました」と呂律の回らない舌を一生懸命動かして、それを聞いて、わたしはどうすればいいかと思って、とりあえず新宿で会おうと話して、タクシーに飛び乗って、でも会えなかった。久々にODしちゃいました、と明るくゆったりと話す彼女に、わたしはいったい何が出来たんだろう。わたしに出来ることなんてあるんだろうか。いや、何もない。わたしには彼女の面倒を見てやることも、ずっとそばにいることも、何も出来やしない。

神様の存在なんか信じちゃいないけど、もう少し、公平に作っても良かったんじゃないだろうか。祈ってすべてが叶うなんて、そんなことは信じられないから、わたしは口を閉ざすばかりだ。
何が希望だ、くたばっちまえ