四時五十分

なんで夜中に映画なんか見始めたんだろうか。余韻に浸る間もなく音楽を聴いて感想なんてどこかに消えちまった。同じ映画をもう一度見るなんてのはなかなかしないことだけど、どうして、本当に、あんなに落ち込むだけの映画を見たんだろう。
何をしたいのかもよくわからないし、どうなりたいのかもわからない。とりあえず部屋の模様替えをした。母親が喜んでいた。同室で眠る母親は「家が広くなったみたい」ときゃあきゃあとはしゃいでいた。母親が18の頃にHotel Californiaを聞いていた。わたしは21になってから聞き始めた。この三つの違いにいったいどんな差があるんだろう。やっぱりわたしは、あなたに比べたら随分と幼いと思うんだ、それは今話を聞いているから? それとも根本的に?
少なくとも親に甘えている今は、確実にわたしは自立出来ていない。最近男性を見ても、「どうせこいつも親のすねかじってるんだもんなぁ」なんて考えが先行してしまい、全く魅力を感じなくなってしまった。例の先輩も、深夜に電話をかけてくる友人も、元彼も、みんなそうだ。親のすねかじって世間の批判して自分たちはその金でけらけら笑いながら酒飲んで、どうすれば偉そうに道を歩けるんだ、どうすればお前が彼女のことを悪く言えるんだ、お前だって変わらないだろう、って、面と向かって言うほどの度胸がわたしにはない。でもあのときは確実にわたしは彼に対して「やめろ」と言うべきだったんだ。
恋愛はまた違うでしょう、と友人は言っていた。それでもやっぱりわたしは、自立しようとしている人を求めてしまうから、もう、老けちまってるんですよねぇ、はぁ。