彼と話して、それから考えたこと感じたこと思ったこと

自分で自分に向き合わなくてはいけない、と思い、昨晩誰に出すわけでもなく手紙を書いた。恐らくこうやって誰かに読まれることを想定した上で書くものよりはきちんと自己に迫ったものを書けたんじゃないだろうか。本当は誰かに手を握られながら隣に座って直接聞いてほしいんだけど、そんなことはきっと不可能なので、認めて、終わり。それで解決したの? と聞かれたら、首を縦に振ることは出来ないけれど、少しだけ整理がついた、かな、と自己満足する。たぶん整理出来てないけどね。もういいや、と簡単に手放すことが出来ない問題だから苛立ちが収まらない。
彼は、「人の話を聞いて自分の話をしないで、それできみは救われるのか?」とわたしに聞いた。今一番の心の中の大問題になっている元彼のことを彼はやたら気にする。気にする、と言うより、気にしてくれる。前日に一緒にカフェでご飯を食べた友達も言っていたけれど、人の心の機微に敏感だ。少しの変化も見逃さないし、そこを上手に汲み取ってくれる。だからモテるんだろうな。まったく、侮れない。それでも大好きだけど、それは恋愛の大好きではない。
「大学、頭悪いやつばかりでしょ」と彼は言った。頭が悪いかどうかはわからないけれど、自分は以前ほど物事を考えなくなったと思う、と答えた。彼と交流を持つことでわたしの何かが刺激される。刺激された何かは、大学からわたしを遠ざける。遠ざかったわたしは、すべてがどうでも良くなる。


以前付き合っていた彼について考えれば考えるほど、魅力があまり存在していないということに気付いてしまう。それでも彼の姿ばかり追い求めるのは、わたしが未だに高校時代を彼の中に見ているからだと思う。わたしたちは高校生活を楽しみ過ぎた。だって楽しかったんだもの。魅力的な人に囲まれて、魅力的な場所にいて、魅力的なことをして、本当に楽しかった。今がつまらないというわけではないけれど、あの頃のキラキラしたものを彼と一緒にいることでまた取り戻せるんじゃないかしら、という幻影に縋っているんじゃ、と思う。よくわからない。何が本当で何が嘘なのかよくわからない。自分がいったい何に魅力を感じていたのかもわからない。とりあえず、今すぐ、人に話を聞いてほしくて、こうやって「人」と書いて曖昧にしているけれど、話を聞いてもらうのは高校3年生の夏休みに会っていた人たちでなくてはいけない。わたしはあそこに、忘れ物をしているみたい。