茶道を習っていたの
から始まって、庭園を訪れるたび、行き先で見掛けるたび、抹茶を飲んだ。


昨日だってただの古民家を喫茶にしただけの場所で(実は夏目漱石の妹の婿が関係していたので、ただの古民家ではないのだけど)、もっと気楽に飲めばいいのに、やたら緊張して飲み方を聞いてきた。
いいんじゃない、ここは、そういう席じゃないんだから、好きに飲みなさいよ
と言いながらも、お茶碗を頭上高く掲げようとするのをやめなさいと叱ったり、掌できちんと包み込むのよと口出しするのだから面倒だ。


一度お茶席に入ってみたら。今年は高校と大学の学園祭に行きましょうよ、一度お点前を見てみたらいいわ
と言うと、はにかみながら、それまでにいろいろ覚えなきゃ、と嬉しそうにしていた。


一番美味しかったのは、新宿御苑の抹茶だったね、
と二人で今までのを思い出しながらまた行こうねと話した。
夕焼け空は淡いピンクと水色の入り混じったような色で、とても綺麗だった。