朝早くに呼び出されて、都内を散策した。約8時間。距離は恐らく15kmほど。浅草線の大門から、浅草までをずーっと歩いたのかな。携帯についている万歩計が、30000歩を超える数値を叩きだしていた。初めて見る数だった。
11月末に会って、それ以来の再会だったけれど、大して緊張することもなく話せた。心からリラックスして話せる人は、本当に少ない。


途中の公園で何度か休憩し、彼は煙草を吸っていた。土砂降りにも二回遭った。築地でビールを飲んで、浅草でもビールを飲んだ。ほんのり酔って甘えてしまおうかと思ったが、そういう相手でもないなぁと思いつつも「酔った」と言ったら、「気のせいだろ」と返された。まぁ、そうなんでしょう。
京都で買った耳かきもあげた。本人は買ってこいと言ったことも忘れていたみたいで、だけど興奮していた。良かった。ありがとう。私信。


「俺はバンギャルっていうやつが世界で一番嫌いなんだ」と言うから、「ごめんねあなたの隣を歩いているの、4月にライブのために京都に遠征までするような女よ」と言ったら、はははと笑っていた。彼のそういうところが大好きだ。本当に好きだ。もう、かれこれ五年近く大好きだ。


もしかしたらお互いが異性として意識していたのかもしれないけれど、一度抱き合ったのと、わたしの不貞を告げたお陰でその可能性も消えたみたいだ。たぶん。
寂しいけれど、それが一番いい関係なのだろう。でも正直、繋がっていられるならいつまででも繋がりを持ち続けたい。わたしで良ければ、あなたの寂しさを紛らわせるぐらいのことは出来るよ。


別れ際は「じゃあね」「またね」と驚くほどにあっさりしていた。また会えたら。