letter from

初恋の人から手紙が届いたよ…


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ななや、ひさしぶり。
もう女友達のファッションチェックをするクセは治りましたか?いちいち「何そのブラウス!」などと辛口批評をしていたななやをなつかしく思います。

泣きじゃくるななやが「これ以上振り回されたくないから別れる」と言って自分から連絡を断ったあの日から、もう6年が経ったんだね。月日が流れるのは早いものです。

あ、そうそう、手紙を書いたのには特に理由はないんだ。ただ部屋の掃除をしていたらななやからの昔の手紙が出てきたから、なつかしくなって。びっくりさせたかな。

別れてから気付いたけど、おれはななやのこと、あまり分かってあげられませんでした。基本的に、寂しがりだったななやをおれはほったらかし気味で、つらい思いをさせたかなぁと思います。そうそう、ななやはいつも我慢して言いたいことを言わないで、後で一気に爆発するタイプでしたね。何も気付かないでいると、いきなり第一声が「もういい!」だったりするので、どうしていいか戸惑ったものです。

そういえばななやにとって、おれが最初の彼氏でしたね。だからか、最初のころのななやは、かなり猫をかぶっていたように思います。最初のころは、少なくとも「ねぇねぇ、のどぼとけ触らせて♪」などと言えなかったはず。今では勝手に触るぐらいになっているんでしょうね。

付き合ったばかりのラブラブだったころ、ななやはいつも「私のどこが好きなの?」なんて確認していましたね。どこがとかいう問題ではないと思うけれど、プレッシャーに負けて「顔」と答えていた記憶があります。回答が下手でごめんなさい。

総括するなら、ななやと付き合えたことは、とても感謝しています。多少重苦しいところもあったけど、期待されているし愛されているなぁと感じられました。どうもありがとう。

いろいろ書いたけど、おれはななやが大好きでした。これからもななやらしさを失わず、あと、得意のクレヨンしんちゃんのモノマネにも磨きをかけて(笑)、新しい誰かと幸せになってください。

またいつか会いましょう。では。

P.S. 誕生日にあげたシルバーリング、オークションに出したって本当ですか?

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本当に元彼が書いてそうでなんか、なんか申し訳ない。いや確かにそのとおりのわたしだったと思ってしまって、いやいやもう、すみません。