深夜に揺れる

どれだけ情緒が安定しないんだろう。酒の酔いと眠気とで朦朧とする意識の中、一生懸命話したけれど、家族が寝ているから決して大きい声では話せない。だからいつもこの時間の電話は何とも言えない残りかすみたいなものが残って終わる。今日もまた電話がかかってきた。深夜三時四十四分。常識人が電話をするような時間じゃない。お互いね。
一時間ほどやっぱり不毛な会話をして、切った。彼がわたしと話して得るものはいったいなんだろう、たぶんないんだろうな。どうでもいい時間つぶしでしかないんだろうな。そう思うと少し空しいけれど、そういう形でしか求めてもらえないから、別にどうでもいいや。これじゃあまるでわたしが彼に恋しているみたいじゃないか。そんなことはない、決してない。少なくともわたしは彼に恋愛感情は微塵も抱いていない。